Essential Talk 第1回

2015年1月24日

生活を変えるチカラになる

3種目で構成されるパワーリフティング

黒原:
本日はよろしくお願いします。具体的な話に入る前に、まずは、パワーリフティングという競技について教えてください。

小早川:
スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目における総重量を競い合います。各種目については、ご存じですか?

黒:
はい、高校、大学とバレーボール部に所属していまして、それら3種目とも筋トレとして取り入れていました。ただ、競技になっているとは知りませんでした。申し訳ありません。

小:
いえいえ、よくいわれることです。日本ではまだまだ知名度の低いスポーツですので、このような機会を通じて多くの方に知っていただければありがたいです。

バーベルエクササイズの可能性を探る

黒:
では、お話を進めていきます。非常に抽象的な質問になりますが、「バーベル エクササイズ」の可能性について、どのようにお考えでしょうか。

小:
自分自身が選手として取り組む場合、ある意味「より重たいものを上げる」ことがすべてといえます。一方、パーソナルトレーナーとしてトレーニング指導もやっているのですが、数々の人を見ていく中で「それだけではないのでは?」と思うようになりました。

黒:
つまり、「より重たいものを上げる」ことがすべてではないということでしょうか?

小:
そうですね。例えば、マイナスになっている体の状態をゼロに引きあげるということにも、バーベル エクササイズは有効ではないかと考えています。

黒:
マイナスになっている体というと…。

小:
簡単な例を挙げると、「肩こり」や「腰痛」です。多かれ少なかれ大概の方が経験されているかと思いますが、本来の力を発揮できない状況になってしまいます。

黒:
確かにその通りですね。それが、バーベル エクササイズとどのような関係があるのでしょうか?

小:
実は、肩こりや腰痛が「筋力の低下」に起因することが多くあります。「脚や腹筋の力が低下することによって、腰への負担が高まる」というが起きるんですね。

黒:
思い出しました。バレーボール部時代に、腰痛を改善するために太ももの筋肉を鍛えるように先輩からいわれました。

小:
よい先輩に恵まれましたね。そして、胴体部分の「筋力の低下」に起因する肩こりや腰痛などの症状を改善するのに有効なエクササイズが「スクワット」だと考えています。

正しいフォームが成果を変える

黒:
スクワットというと、簡単にいえば屈伸運動ですよね。脚の筋肉にしか効果がなさそうに思いますが…。

小:
ところが、スクワットは全身の筋肉の80%を使う運動で、「キング オブ エクササイズ」ともいわれています。

黒:
全身運動なんですね。なので、肩こりにも効果があるということでしょうか?

小:
はい。ただし、条件が付きます。それは、「正しいフォームでやる」ということです。例えば、単純にひざを曲げるだけですと、脚の筋肉、しかも、脚の前側の筋肉しか使えていないようなケースもあります。見よう見まねだけでスクワットをやっている場合が一般的には多いと思いますが、正しいフォームでやれている方は皆無ですね。

黒:
フォームによってトレーニング効果が大きく違ってくるということかと思います。では、どのようにして正しいフォームを身に付ければよいか教えてください。

小:
基本的におさえるべきポイントはいくつかあります。例えば、腹筋を常に意識した状態にすること、肩甲骨を歪みなく寄せてバーベルを担ぐこと。また、脚を曲げたときにひざの位置がつま先より前にでないようにするとかですね。。しかし、人によって体格や骨格が違うので、本質的なトレーニングを志向されるのであれば、人の指導を受けることをおススメします。

黒:
つまり、「小早川に聞け!」と?

小:
まぁ、そうなります(笑)実際こういうことを考えていくうちに、私たちのようにバーベルに真剣に向き合ってきた人間だからこそ世の中の人のためにできることがあるのではないかと思うようになりました。バーベル エクササイズは、「重さ」を追求しなければ、実は老若男女を問わずに取り組めますので。

黒:
正しいフォームでスクワットをやる人が増えてきて、肩こりや腰痛に悩む人が減っていく、お年寄りの方が自分の足で歩き続けられるようになる…。色々な可能性が見えてきましたね。

小:
はい。そのように私たちが競技を通じて身に付けたスキルが様々な人たちの生活を変えるチカラになれば、本当に嬉しいです。

黒:
それでは、そのスキルをどのように身に付けてきたのか。第2回では、小早川さんの競技人生についてお聞きしたいと思います。

小:
承知しました。引き続きよろしくお願いいたします。

→第2回へ続く